全国の病院における感染管理体制と尿道留置カテーテル管理についての実態調査
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概要
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日本の病院における感染管理体制と尿道留置カテーテル挿入患者に対するケアの実態を明らかにすることを目的として2007年10月〜11月に,対象病院の内科系,外科系各一病棟に勤務する感染管理のリンクナース(または主任看護師)を対象に質問紙調査を行った.病院要覧(2003-2004年版)に掲載されている400床以上の全病院および100床以上400床未満のうち4分の1の系統抽出法により抽出された病院を対象とした.回収率40%で,1318通を分析対象とした.感染管理体制については,感染対策チーム(ICT)があるのは82%,感染管理を専任または専従で行う看護師がいるのは36%,リンクナース制度があるのは66%であった.尿道留置カテーテル使用患者は病棟の約15%で,59%は完全閉鎖式カテーテルを導入していた.尿路感染予防ガイドラインの推奨項目が実施されていない割合は,膀胱洗浄を実施する51%,入浴時の蓄尿バッグとドレナージの接続をはずす29%であった.標準予防策が実施できていない割合については,排液時に手袋を着用しないは2%であったが,手袋を患者毎に交換しない34%,尿の回収容器を患者毎に交換しない51%であった.本研究により,日本の医療施設における尿道留置カテーテルケアの実態が明らかになり,ガイドラインで推奨されている尿路感染予防策と標準予防策の更なる啓蒙活動の必要性が示唆された.
- 2010-01-25
著者
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内海 桃絵
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
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牧本 清子
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
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牧本 清子
大阪大 大学院医学系研究科
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牧本 清子
大阪大学 大学院医学系研究科保健学専攻
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西田 真由子
大阪厚生年金病院看護部
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牧本 清子
大阪大学大学院医学系研究科
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