生体分子イメージング手法による慢性炎症病態の解明 : 肥満脂肪組織と血栓症
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
われわれは高速共焦点レーザー顕微鏡を用いた高時間・空間解像度の生体内分子イメージング手法を新たに開発し,マルチカラーで生体内での細胞動態や末梢組織の詳細な三次元構造の可視化手法を開発した.本手法により生体内の単一血小板の細胞動態が解析可能となり,多色化により複数の細胞種の連関も明らかになった.レーザー傷害による血栓形成モデルと組み合わせ,血小板機能に異常をきたす各種遺伝子改変動物における血栓形成過程を観察し,遺伝子改変と生体内での血小板機能の関係を明らかにした.さらに,本手法を脂肪組織に適応し,メタボリックシンドロームの病態を検討した.肥満脂肪組織で,脂肪細胞分化・血管新生が空間的に共存して生ずることを示し,さらに,微小循環において炎症性の細胞動態が生じていることを明らかにした.脂肪組織の間質には多くのリンパ球が存在し,肥満に伴い,CD8陽性T細胞が増加していた.このCD8陽性T細胞は肥満脂肪組織における炎症とマクロファージの浸潤を引き起こしていた.
- 2010-08-01
著者
関連論文
- 脂肪細胞における Glucose Transporter 4 の細胞膜融合と表層アクチンリモデリングの関与
- GLUT4の細胞内挙動および細胞骨格の関与についての解析
- 生体分子イメージング手法でみる肥満脂肪組織における慢性炎症・免疫異常
- 生体分子細胞イメージング手法である肥満脂肪組織における慢性炎症・免疫異常のかかわり--目でみる肥満脂肪組織 (AYUMI 免疫in vivoイメージング--免疫疾患のダイナミクス研究へ)
- 生体分子イメージング手法でみる慢性炎症病態--血栓形成過程と血小板機能 (第71回日本血液学会学術集会) -- (シンポジウム8 Recent Advance in Thrombosis, Hemostasis and Vascular Biology)
- 基礎 生体分子イメージング手法でみる血栓形成過程と血小板機能
- 【画像】生体分子イメージング手法による慢性炎症病態の解明:肥満脂肪組織と血栓症
- 生体分子細胞イメージングでみる肥満脂肪組織と慢性炎症, 血栓形成
- 生体イメージングによる慢性炎症病態の解析実質細胞と間質の相互作用
- 生体分子イメージング手法でみる慢性炎症病態 : 血栓形成過程と血小板機能
- 生体分子イメージングで見る肥満脂肪組織リモデリング,慢性炎症・免疫異常のかかわり
- 生体分子イメージング手法による慢性炎症病態の解明 : 肥満脂肪組織と血栓症
- 微小計測システムを用いた心筋細胞のマイクロバイオメカニクス測定
- 生体分子イメージングでみる肥満脂肪組織と慢性炎症, 血管機能異常, 血栓形成
- 生体分子イメージングでみる肥満動物における脂肪組織炎症・免疫異常 (脂肪細胞)
- 生体分子イメージング手法でみる肥満脂肪組織における慢性炎症・免疫異常
- 生体分子イメージングでみる肥満脂肪組織炎症と血栓形成過程
- 生体分子イメージング手法でみる血栓形成過程と血小板機能 (特集 分子イメージングの最先端) -- (内科疾患の分子イメージング)
- 生体分子イメージングによる慢性炎症が引き起こす生活習慣病病態の解析
- 生体分子イメージングでみる生活習慣病:肥満脂肪組織炎症と血栓形成過程 (生体反応・細胞挙動のセンシング : 光を使って何ができるのか?)
- 生体二光子イメージングによる生活習慣病の解析 (特集 分子イメージングの最先端)
- 生体分子イメージングでみる生活習慣病:肥満脂肪組織炎症と血栓形成過程
- 血清リン脂質・生合成系を標的とした新規メタボリックシンドロームマーカーの探索