好酸球増多症に引き続いて発症した好酸球性腹膜炎の1例
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概要
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79歳,女性.2004年4月血液透析導入.Vascular access不全と心機能低下のため2008年5月CAPD導入に至った.この間約半年間にわたり好酸球増多症が持続していたが,原因の特定はできなかった.PDカテーテルを留置後6日目に末梢血好酸球数は10.1%から22.3%に上昇した.2週間後にCAPDを開始し,その22日目に排液中の白血球数ならびに好酸球数の増加を認めた.腹痛や発熱を伴わず排液の細菌培養は陰性であったことから好酸球性腹膜炎と診断した.CAPDは継続したまま経過をみたところ自然軽快し,第49病日退院に至った.第56病日の末梢血好酸球数は5.5%であった.好酸球性腹膜炎はCAPDシステム自体が誘因と推察されているが,最終的な因果関係については不明なことが多い.本症例の特徴はCAPD導入以前より好酸球増多症が先行し,その経過の中で好酸球性腹膜炎を発症した点にある.
- 社団法人 日本透析医学会の論文
- 2009-12-28
著者
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小口 健一
松和会池上総合病院腎臓医療センター
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小口 健一
医療法人松和会 池上総合病院 腎臓医療センター
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浅野 学
松和会池上総合病院腎臓医療センター
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小口 健一
池上総合病院腎臓医療センター
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浅野 学
池上総合病院腎臓医療センター
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岩渕 仁
池上総合病院腎臓医療センター
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中原 徳弥
池上総合病院腎臓医療センター
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荒川 欣治
池上総合病院腎臓医療センター
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岡本 真智子
池上総合病院腎臓医療センター
-
岩渕 仁
(医)社団松和会池上総合病院腎臓医療センター
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