腹膜炎を併発した感染性巨大肝嚢胞の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は76歳,男性.60歳時に感染性肝嚢胞を保存的治療した既往がある.持続する上腹部痛を主訴に近医を受診し当院に紹介入院となった.腹部CT検査にて腹水貯留と肝右葉の巨大嚢胞が認められた.肝嚢胞,腹水の穿刺液は類似した性状で,多数の好中球と細菌が認められ感染性巨大肝嚢胞に腹膜炎を併発した状態と診断した.経皮嚢胞ドレナージ及び抗菌薬投与にて症状の軽快が認められ,塩酸ミノサイクリン嚢胞内注入療法を施行後,ドレナージチューブを抜去した.塩酸ミノサイクリンは高濃度で用いることでより効果が認められた.その後嚢胞は縮小し,感染の再発を認めていない.腹膜炎を併発した感染性巨大肝嚢胞に対し,経皮嚢胞ドレナージと抗菌薬投与および高濃度塩酸ミノサイクリン注入療法が有効であった1例を経験したので報告した.
- 2010-01-25
著者
-
川瀬 直登
総合大雄会病院消化器内科
-
野田 久嗣
総合大雄会病院消化器内科
-
鈴木 雄一朗
総合大雄会病院消化器内科
-
小川 観人
総合大雄会病院消化器内科
-
喜多島 康弘
総合大雄会病院消化器内科
-
吉田 利明
総合大雄会病院消化器内科
関連論文
- 腹膜炎を併発した感染性巨大肝嚢胞の1例
- 進行肝細胞癌のソラフェニブ投与におけるPIVKA-IIの意義
- 進行肝細胞癌のソラフェニブ投与におけるPIVKA-IIの意義
- 高度門脈腫瘍栓(Vp3/4)を伴う進行肝細胞癌に対してのソラフェニブ投与の治療成績
- 経皮的ラジオ波焼灼術 (特集 肝癌診療の最前線 : 知っておきたい診断・治療の新情報) -- (治療の実際)