真菌感染における non-albicans Candida 属の臨床的病原性
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概要
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近年non-albicans Candida 属のカンジダ血症に占める割合が増加している.当院においても1996年から2007年の間に経験したカンジダ血症58例のうち36例はnon-albicans Candida 属による症例であった.non-albicans カンジダ血症のリスクファクターとして抗真菌剤投与の既往を検討した結果,non-albicans 症例では36例全例とも,C. albicans 真菌血症では22例中18例と,non-albicans カンジダ血症でフルコナゾール(FLCZ)使用例が多い傾向が認められた.一般にnon-albicans Candida 属菌種は,カンジダ症に第一選択抗真菌剤とされているFLCZに対する感受性から,FLCZ感受性菌であるC. tropicalis,C. parapsilosis,C. guilliermondii と,FLCZに低感受性を示すC. glabrata,C. krusei に分けられる.今回,われわれが検討した36例のnon-albicans Candida 属株の抗真菌剤感受性試験でも同様の傾向が認められた.しかしながら,C. guilliermondii はFLCZ感受性菌であるがMIC値が高い傾向を示した.また,non-albicans Candida 属に有効とされるミカファンギンに対して,C. parapsilosis とC. guilliermondii はMIC値が高い傾向を示した.
- 2009-10-30
著者
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