Protein A アフィニティHPLCによる抗体の高速定量系の確立
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概要
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モノクローナル抗体医薬品の製造プロセスの構築と妥当性検証のためには,多数のサンプルを迅速に分析することが求められる.本研究では,試料として組換え完全ヒト抗体を発現しているCHO細胞の培養上澄みを用いてProtein AアフィニティHPLCの諸条件を検討し,抗体の自動高速定量法を確立した.パーフュージョンタイプのProtein Aカラムを用い,流速30.1 cm/min(線速度)で,300 mM塩化ナトリウム溶液を含む50 mMリン酸ナトリウムpH 7.0から同溶液pH 2.8へのステップワイズ溶出でクロマトグラフィーを行った.溶出液組成の検討により,抗体溶出ピークのリーディングと,カラムへのタンパク質残存量を低減することができた.本分析法によって,1サンプルあたりの分析時間は2〜2.5分間となり,1時間に24〜30サンプル処理することが可能となった.また,1000回の分析ごとにカラム洗浄を行うことによって,少なくとも3000回の分析が可能であり,分析系の繰り返し精度・耐久性も確認された.
- 2010-03-05