イオン対固相抽出/フレーム原子吸光法による鉄鋼中ビスマスの定量
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概要
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フレーム原子吸光法(FAAS)とイオン対固相抽出法とを組み合わせ,鉄鋼中ビスマスの簡易定量法を考案した.はかり取った試料(約0.5 g)を塩酸,硝酸,過酸化水素により分解し,40 mLの0.1 Mヨウ化カリウム−0.1 M硝酸−4% アスコルビン酸−3.1×10−4 M臭化テトラブチルアンモニウム(TBA)溶液に調製した.この試料溶液を,0.5 gのポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂を詰めたカラム(内径15 mm,樹脂柱高さ10 mm)に流し,ビスマス(III)-ヨード-TBA錯体としてカラムに吸着させ,主成分の鉄(II/III)から分離した.カラムを10 mLの0.1 M硝酸で洗浄後,10 mLの70% メタノール−0.1 M硝酸でビスマスを溶離した.溶出液を蒸発乾固し,全容10 mLの0.1 M硝酸溶液としてFAASによりビスマスを定量した.本法を日本鉄鋼連盟の鉄鋼標準物質中の数十μg g−1レベルのビスマスの定量に適用し,正確さ及び併行精度とも妥当な結果を得た.本法のビスマスの検出下限及び定量下限値は,鉄鋼試料に換算してそれぞれ約1.4 μg g−1及び約4.6 μg g−1である.
- 2009-11-05
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