漢方により内側から皮膚疾患を考える
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概要
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慢性皮膚疾患は五臓の気血水バランスの異常により発生することが多い。慢性蕁麻疹もその一つで,西洋医学的標準治療では難治であるので,漢方医学的な体の内側からの治療が必要である。今回,貧血性蕁麻疹の症例には五積散を,ストレス性蕁麻疹の症例には桂枝加竜骨牡蛎湯を,ストレスを伴う寒冷蕁麻疹には茯苓四逆湯を中心処方として用いて著効した症例を報告した。気の巡りを客観的に評価するために手掌足底発汗検査を行い,ストレス負荷による掌蹠発汗を治療前後で比較した。慢性疾患における気血水の重要性は,吉益南涯,後藤艮山の著書にあるように,古く江戸時代まで遡ることができる。蕁麻疹は真皮内の血と水の異常であるが,気の異常が根底にある場合が多い。このため,脾,肺,腎の気の巡りをよくする処方を使用することで効果が得られると考える。
- 2009-03-20
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