甲状腺機能亢進症に合併した胸腺過形成の1例
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概要
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症例は30歳,女性.背部痛および胸骨部痛で近医を受診した際,胸部異常影を指摘され当科紹介受診となった.胸部CT上,前縦隔に腫瘤を認め,さらに甲状腺の腫大を認めた.血液検査でF-T4の上昇とTSHの低下を認め,甲状腺機能亢進症と診断した.前縦隔の腫瘤は,MRI上T1,T2強調像とも内部が均一に描出され,さらに化学シフトMRイメージングを撮影した所,in phaseT1強調像に比べ,out of phase T1強調像において信号が低く描出され,脂肪成分を混じた腫大した胸腺(胸腺過形成)と診断された.以上より甲状腺機能亢進症に伴う胸腺過形成と診断し,甲状腺機能亢進症に対し抗甲状腺薬による治療を行い,10ヵ月後には著明な縮小を認めた.甲状腺機能亢進症に合併した胸腺の腫大に対して,抗甲状腺薬の投与による経過観察も可能と考えられ,安易に摘出術をするべきではないと思われた.
- 2010-01-15
著者
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