脳室の感覚器官 : 室傍器官 : 室傍器官と下垂体との関係
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概要
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哺乳類以外の脊椎動物には室傍器官と呼ばれている脳脊髄液接触ニューロンの集団が視床下部に存在する。これらの脳脊髄液接触ニューロンはその微細構造から感覚性の細胞であると考えられているが, その機能は定かではない。しかしながら, その形態や局在部位から考えると脳室内の何らかの情報を脳内に伝達していることは想像できる。鳥類ウズラや爬虫類カナヘビでは室傍器官が光受容器官であること示唆されていた。脳深部光受容器官は生殖腺の発達や行動リズムにも関与することが知られているので, 我々はこれらの動物の室傍器官について下垂体や生物時計との関連を組織学的に調べた。その結果, どちらの動物でも下垂体機能との関連が示された。ウズラでは室傍器官の細胞が光周期と日周期によって変動し, 2つの光情報を受け取っている可能性が示された。またカナヘビでは概日時計への神経投射が示され, 概日リズムへの関与が示唆された。
- 2006-08-20
著者
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保 智己
奈良女子大学
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川野 絵美
大阪市立大学大学院理学研究科生物地球系専攻
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拜田 由華
奈良女子大学・大学院人間文化研究科・共生自然科学専攻
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保 智己
奈良女子大学・大学院人間文化研究科・共生自然科学専攻
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保 智己
奈良女子大・生物
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川野 絵美
奈良女子大学・大学院人間文化研究科・共生自然科学専攻
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川野 絵美
奈良女子大・人間文化・生物
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