多様な新規オプシンの構造と機能
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概要
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ロドプシンファミリーは多様なメンバー (オプシン) から構成され, 視覚やそれ以外の様々な光生理現象に関与する。筆者はこれまでに様々なオプシンの解析を通じて, 動物の光受容細胞の機能と進化に関する研究を行ってきた。本稿では筆者らの行った以下の研究について紹介する。(1) ヤモリの桿体に含まれる視物質が錐体タイプであることを明らかにし, ヤモリ桿体が錐体から進化したとする仮説を検証した。(2) ホタテガイの繊毛型視細胞において新しい光情報伝達系を発見し, 視細胞の光情報伝達経路は脊椎動物と節足動物の分岐以前にすでに多様化していたことを明らかにした。(3) ゼブラフィッシュの脳内において2種類の新規オプシン (非視覚型オプシン) を同定し, その一つ (エクソロドプシン) は松果体, もう一つ (VALオプシン) は脳深部と網膜の二次ニューロンに存在することを示した。また, エクソロドプシン遺伝子プロモータの機能解析を行い, 松果体特異的なシス配列の同定に初めて成功した。
- 日本比較生理生化学会の論文
- 2006-08-20