ウシの体外受精胚生産における培養液への Betaine の添加効果
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概要
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本研究は浸透圧平衡化物質のひとつであるBetaineのウシ体外受精系培地への添加効果を検討した.その結果,Betaine添加により胚盤胞発生率と胚盤胞の品質が向上し,その至適濃度は3mMであることが示された.しかしBetaineは培養期間中すべての培地に添加しなければその効果は見られなかった.またBetaineを3mM添加した培地により作出された胚盤胞を移植に供したところ,受胎率は31.8%(7/22)であった.流死産などはなく,正常産子を取得することが出来た.また,産子の平均生時体重は35.4±4.6kgであり,過大子分娩例はなかった.このことからBetaine添加による産子への悪影響は無いものと思われた.以上のことから体外受精系の培養液へのBetaine添加は胚盤胞の発生率と品質の向上に有効であることが示唆された.
- 社団法人日本畜産学会の論文
- 2006-11-25
著者
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後藤 秀樹
家畜改良センター熊本牧場
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遠山 牧人
独立行政法人家畜改良センター奥羽牧場
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遠山 牧人
家畜改良センター熊本牧場
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平田 慎一郎
家畜改良センター熊本牧場
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甲斐 浩一
家畜改良センター熊本牧場
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角田 正和
家畜改良センター熊本牧場
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橋本 幹夫
家畜改良センター熊本牧場
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岩下 智宏
家畜改良センター熊本牧場
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平井 朋和
家畜改良センター熊本牧場
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