レギュラトリーB細胞
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概要
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B細胞は抗体産生やT細胞活性化を通じて免疫反応に関与していることは知られていたが,近年になり炎症反応を制御するB細胞が存在することが明らかになった.T細胞の活性化を司るエフェクターB細胞に対して,この免疫を抑制するB細胞はレギュラトリーB細胞と呼ばれている.筆者らは,マウスの脾臓にIL-10産生B細胞が存在することを確認し,これらがCD1dhiCD5+の表現型を有していることを発見した.またアレルギー性接触皮膚炎のモデルである接触過敏反応において,このB細胞がIL-10依存性に炎症を抑制することを明らかにした.さらに多発性硬化症の早期にはレギュラトリーB細胞が優位に働くが,進行するにしたがいエフェクターB細胞が優位に働くことが明らかになった.このようにエフェクターB細胞とレギュラトリーB細胞のバランスが炎症や自己免疫の病態形成に重要であると考えられる.ヒトにおいてもレギュラトリーB細胞の存在が示唆されており,将来さまざまな炎症性疾患や自己免疫疾患などの治療に応用できる可能性がある.
- 2009-06-30
著者
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