オプシンファミリーの分子進化と機能多様性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オプシンは, 視覚や概日リズムの光調節など動物の光受容システムの入り口に位置し, オプシンのアミノ酸配列に基づく性質が光受容の大部分の性質を決める。 ほとんどの動物において複数のオプシン遺伝子が存在することが知られており, 多様なオプシンの機能を調べることは, 光受容システムの分子基盤やその進化を知る上で重要である。 筆者らはオプシンの機能多様性を調べる目的で, ナメクジウオやヤツメウナギからオプシンを単離し, 多様なオプシンの動物培養細胞での発現および分光学的解析に成功した。 本稿では, 筆者らの機能解析によって明らかとなったナメクジウオのGo共役型ロドプシン, ペロプシン, メラノプシンおよびヤツメウナギパラピノプシンの性質と, メラノプシンの性質から導かれる進化的考察(旧口動物の感桿型視細胞と脊椎動物の光感受性網膜神経節細胞の進化的関連)やパラピノプシンの性質と生理機能との連関(UV色素の光再生能と松果体UV受容の特徴との連関)について紹介する。
- 2008-04-20