金属担持ゼオライトの炭化水素吸着脱離特性と車両評価による検証
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概要
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炭化水素吸着燃焼触媒の炭化水素脱離温度高温化を目的に,炭化水素の脱離温度が高いゼオライト種の探索および金属修飾成分による特性改良を試みた。エンジン始動時の排ガスを模したモデルガスを用いて,昇温脱離法で5種類のゼオライトを評価し,ベータゼオライトが最も高温まで多量の炭化水素を保持することを見出した。そこにAg,Mg,Ni,Co,Cu,Ce,Srを添加したところ,トルエン脱離ピーク温度を170〜320℃高温化する効果が認められ,そのうちAg添加のみが,ペンタン脱離ピーク温度を90℃高める効果をも有し特異的に良い性能であった。紫外可視分光光度計(UV-vis)を用いてAg担持ゼオライトの化学状態を推定し,パラフィン(ペンタン)の脱離温度を高めるにはAg+が,芳香族(トルエン)の脱離温度を高めるにはAg0(メタル)が有効であることを見出した。空気過剰ガスと燃料過剰ガスに交互に800℃または850℃でさらす耐久処理を行うと,炭化水素の脱離は低温化し特にパラフィン脱離で著しかった。イオン交換サイト以外に存在するAg+がAgxn+(クラスタ)またはAg0に変化するとともに凝集したためと考えられる。車両評価によるHCの脱離特性は,モデルガスとAgの化学状態の解析から予測された結果と矛盾しなかった。
- 2009-07-01
著者
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長山 敏明
(株)日立製作所 エネルギー・環境システム研究所
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飯塚 秀宏
(株)日立製作所 エネルギー・環境システム研究所
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加藤木 工三
(株)日立製作所 オートモーティブシステムグループ制御システム設計部
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向井 利文
バブコック日立(株)呉事業所 環境システム設計部
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飯塚 秀宏
(株)日立製作所
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加藤木 工三
(株)日立製作所
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向井 利文
バブコック日立(株)
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