米麹による食塩無添加大豆発酵粉末の高脂肪飼料誘導肥満マウスに対する抗肥満効果
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概要
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食塩無添加で蒸し大豆を米麹により発酵後, 凍結乾燥した大豆発酵粉末 (便宜上, 無塩味噌粉末と命名) の抗肥満作用を検討した。0, 20および40%の無塩味噌粉末を含む高脂肪飼料ならびに標準飼料でICR系マウスを12週間飼育した。その結果, 無塩味噌粉末無添加の高脂肪飼料群のマウスは標準飼料群のマウスと比べて体重, 肝臓重量, 腹腔内脂肪組織重量が有意に増加した。また, 肝臓および血清中の脂質量と, 血清グルコース量も標準飼料群と比べて有意に増加した。しかし, 高脂肪飼料に無塩味噌粉末を添加することにより, 体重, 肝臓重量, 腹腔内脂肪組織重量および血清グルコース量の上昇は抑制された。一方, 脂肪組織中のレプチンおよびレジスチンmRNAの発現量は無塩味噌添加高脂肪飼料群で無塩味噌無添加高脂肪飼料群に比べ有意に低下し, アディポネクチン (ACRP30) mRNAの発現量は上昇した。以上の結果は, 無塩味噌のマウスへの経口投与は高脂肪飼料誘導肥満に対して抗肥満効果があることを示している。
- 2009-08-10
著者
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大谷 元
信州大学大学院農学研究科
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小島 正明
伊那食品工業株式会社 研究開発部
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大谷 元
信州大学大学院農学研究科機能性食料開発学専攻
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小島 正明
伊那食品工業
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落 俊行
伊那食品工業株式会社研究開発部
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明尾 一美
伊那食品工業株式会社研究開発部
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田内 遊
信州大学大学院農学研究科機能性食料開発学専攻
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