ハンセン病療養所に発生した夏期インフルエンザへの早期対応
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概要
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ハンセン病療養所である当園の入院病棟において,2008年7月,B型インフルエンザ陽性患者が1名発生した.終息宣言までの14日間の間に,合計8名の発熱,咽頭発赤,咳嗽,下痢等を訴えた患者が確認された.このうちインフルエンザウイルスキットに対し陽性反応の見られた患者は1名のみで,他の7名は陰性であった. 医療関連感染症対策委員会が緊急に開催され対応策が検討された.感染源と経路の特定,感染経路の遮断による二次感染阻止,早期終息を目的とし,内科医師,看護課,検査科,医療関連感染症対策室を中心に活動した. 園内の感染状況の把握,園内放送による入所者と職員への注意喚起はほぼ連日行われた.さらに,1) 手洗いの励行,2) 防護具やマスク配布,3) 集団活動(機能訓練室と食堂の使用)の制限,4) 面会の制限,が実施された.発症患者8名の平均年齢は92歳で,インフルエンザによる重症化のリスクが高く,また前年に接種したインフルエンザワクチンの効果は望めないと考えられたため,インフルエンザウイルスキットで陰性の患者全員にもリン酸オセルタミビルが予防投与された. 感染経路は,外部からの持ち込み(ヒト-ヒト感染)が疑われたが,確証を得られなかった.最初の患者発症から,5日目以降は新たな発熱患者は発生せず,流行は速やかに終息した. 迅速な組織的対応とリン酸オセルタミビルの予防投与が奏功したと考えられた.
- 2009-07-24
著者
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津曲 恭一
独立行政法人国立病院機構都城病院薬剤科
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長田 智子
国立療養所宮古南静園医療関連感染症対策室
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新城 日出郎
国立療養所宮古南静園内科
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田村 謙二
国立療養所宮古南静園
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河口 朝子
長崎県立大学シーボルト校看護栄養学部・看護学科
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新城 日出朗
国立療養所宮古南静園
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