難治性の皮膚〓痒症に対してシナカルセトが奏効した透析患者の1例
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概要
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症例は68歳,男性.透析歴は6年であり,約1年は腹膜透析.既往症として,狭心症に対する冠血管インターベンション,副甲状腺全摘除・前腕自家移植術がある.透析導入直後から皮膚そう痒症が顕著であり,副甲状腺全摘・自家移植術の術直後と腹膜透析への移行期間を除いて常に強い掻痒感が持続していた.皮膚外用剤や各種のスキンケア製剤および抗ヒスタミン剤などいろいろ使用したが掻痒感の改善は得られなかった.当院受診時は副甲状腺機能の再亢進に対して静注ビタミンD注入を行っており,血清のカルシウムは高値であった.副甲状腺機能亢進症に対する静注ビタミンD療法を,シナカルセト内服に切り替えたところ,PTHは低下傾向を示した.また血清カルシウム,リン値は至適レベルに低下した.PTHが低下し,血清カルシウム×リン積が著明に低下することにより,皮膚そう痒症が劇的に改善することは,副甲状腺摘除後に多く経験されている.シナカルセト内服により,PTHが低下し,カルシウム・リン値のコントロールが良好となり,結果的に副甲状腺機能亢進症の治療がより強力となり,難治性の皮膚そう痒症に効果的であったと考えられる症例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.
- 2009-03-28
著者
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