透析患者に合併した特発性血小板減少性紫斑病に少量のダナゾールが著効した1例
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概要
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血液透析患者に合併した特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の1例を経験したので報告する.症例は60歳男性.糖尿病性腎症より腎不全となり1999年5月血液透析導入となった.2002年11月閉塞性動脈硬化症悪化のためアロプロスタジルの投与を開始.2003年2月血小板は0.6×104/μLに減少し,原因と思われる薬剤を中止したが改善は認められず,特発性血小板減少性紫斑病と診断した.第一選択として副腎皮質ステロイドの投与を開始したが改善なく,肛門周囲膿瘍を発症したためダナゾール投与に変更し,3日後に血小板数は著明に改善した.少量のダナゾールが著効し,副作用の発現はみられず,15か月の漸減期間および中止33か月後も再発を認めていない.ダナゾールは透析患者のITP合併時,治療選択肢のひとつになり得ると考えられた.
- 2009-02-28