血清補助診断 QuantiFERON^【○!R】 TB-2G が手がかりとなり胸腔鏡下リンパ節生検で確定診断しえた結核性縦隔リンパ節炎の糖尿病維持透析例
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概要
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症例は62歳,男性.糖尿病性腎症による慢性腎不全のため2年前に透析導入された.経過中に明らかな表在リンパ節腫脹は認めなかったが,抗生剤不応の38℃台の発熱とCRPの高値が持続した.画像検査では胸部CTにて縦隔リンパ節腫大,PETにて同部位付近のRIの集積を認めた.結核の既往はなく,喀痰および尿中の抗酸菌染色・培養,PCRは陰性,ツベルクリン反応は陽性で,QuantiFERON® TB-2G(QFT)も陽性であった.腫瘍マーカーの軽度上昇を認めたため,肺門部肺癌,悪性リンパ腫や結核性リンパ節炎の鑑別のため,胸腔鏡下縦隔リンパ節生検を施行した.病理組織学的に多核巨細胞を含む類上皮性肉芽腫を認め結核性リンパ節炎と診断した.抗結核剤(INH,RFP,PZA,SM)4剤併用療法を開始したところリンパ節陰影の縮小とともに,解熱しCRPの低下が認められた.透析患者における不明熱の原因として結核は重要であるが,肺外結核が多いため,診断に苦慮する症例が多い.透析患者の結核の診断には画像診断,ツベルクリン反応,結核菌の検索のみならず血清学的診断法としてのQFTが有用であると考えられた.
- 2009-01-28