アミノ酸添加低タンパク質・低エネルギー飼料を給与したブタへの窒素排泄量, 増体および屠体性状の影響
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概要
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低タンパク質飼料の給与は糞尿への窒素排泄量を低減させる可能性があるが,厚脂になりやすいとの報告がある.そこで本研究においては,子豚育成期•仕上げ期での低タンパク質飼料の実用への可能性を追求する目的で,各ステージでの増体および仕上げ期での屠体性状,特に背脂肪厚への影響を検討した.さらに,窒素出納試験による窒素排泄量抵減の検討を実施した.試験1において,育成豚(体重32.9kg)を用いて,CP 16%,14%,12%の3区で群飼での飼養試験を実施した.CP14%,および12%飼料には不足するアミノ酸(Lys, Met, Trp, Thr)を単体で添加した.その結果,増体量•飼料摂取量•飼料要求率でタンパク質水準の違いによる差は認められなかった.試験2では仕上げ豚(体重65.8kg)を用いて,CP 14%•TDN 77%飼料を対照に,CP 11.5%•TDN 77%飼料,CP 11.5%•TDN 75%飼料給与の3区で群飼での飼養試験を実施した.11.5%飼料には不足するアミノ酸(Lys, Met, Thr)を単体で添加した.その結果,CP 11.5%•TDN 77%飼料給与したブタの増体が最もすぐれた,また,屠体解体後に屠体性状を調査したが,背脂肪厚をはじめとして区間に差が認められなかった.試験3では試験1で使用したCP 16%飼料とCP 12%飼料を用い,育成豚(体重37.5kg)で窒素出納試験を実施した.糞へ排泄する窒素量には差がなかったが,尿へ排泄する窒素量はCP 16%飼料給与豚の20.5g/日に対し,CP 12%飼料給与豚は6.5g/日と約69%の低減が見られた.糞•尿会計した窒素排泄量も約54.6%と大幅な低減効果が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
- 1997-07-25
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