内分泌毒性
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概要
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内分泌系臓器は,生体の恒常性維持のために体内外からの刺激に対して互いに協調して働くため,ある内分泌系臓器の機能変調は標的臓器のみならず,ときに複数の関連臓器におよぶ病態を引き起こす.また,薬剤による内分泌系臓器の変化に遭遇した際,それが薬剤の直接的な作用によるものか,または他の関連する要因によるものかを考察することは評価上重要なポイントである.さらに薬剤による内分泌系への影響には,ホルモン輸送タンパク質や標的細胞の感受性の差などにより,動物種差や性差があることにも留意する必要がある.本稿では,内分泌系の概観,薬剤の非臨床試験における内分泌毒性の特徴,内分泌毒性評価の進め方,およびin vitro内分泌毒性評価系の有用性について述べた.さらに,化合物により生じる病変が比較的多く認められる副腎,甲状腺,膵ランゲルハンス島,下垂体および上皮小体における代表的な病変について簡潔に述べた.
- 2008-11-01