ペグインターフェロンの少量間欠投与によりウイルス学的著効が得られたC型慢性肝炎の1例
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概要
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症例は60歳女性.前施設にてC型慢性肝炎に対しウルソデオキシコール酸とグリチルリチンによる肝庇護療法を施行されていたが,肝機能が改善しないため精査加療目的で当院来院した.HCVはセロタイプ2型・高ウイルス量で,肝生検組織像はF2A2と線維化がやや進行していた.当初ウイルス学的著効(SVR)を目指したが,投与前より好中球が740個/μlと低値であったため,標準投与量の半量(90 μg)のPEG-IFNα-2aで治療を開始した.しかし投与後に更なる好中球減少をきたしたため,やむを得ず肝線維化進行の抑止を目的として,標準投与量の1/4量(45 μg)を3週間に1回という間欠投与を1年半にわたり継続した.この結果,トランスアミナーゼは速やかに正常化し,1年後にはウイルスは陰性化,肝線維化の改善も肝生検で確認することができた.1年6カ月で投与を終了し,標準投与法と同等の治療効果(SVR)を得た.IFNの副作用をコントロールしながら少量長期間欠投与を行うことで組織学的な改善が得られ,ウイルス学的著効までもが得られた症例を経験した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 2008-10-25
著者
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中谷 幸次
住友病院消化器内科
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山田 晃
住友病院消化器内科
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南 雄三
住友病院
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南 雄三
住友病院 内分泌代謝内科
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南 雄三
住友病院消化器内科
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岸田 修
住友病院消化器内科
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島 千春
住友病院消化器内科
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壺阪 真子
住友病院消化器内科
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櫻井 元子
住友病院消化器内科
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木下 和郎
住友病院消化器内科
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藤本 敬
住友病院消化器内科
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