オゾンガスによる消毒効果とリネン材への適用検討
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概要
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フッ素に次ぐ高い酸化力を持つオゾンガスの各種細菌に対する消毒効果を確認するとともに,病院リネン材への適用を考慮してオゾンガスの処理対象物内部への浸透性や処理に伴う影響状況を調査した. S. aureus, P. aeruginosaなどの処理対象菌を寒天培地に接種し,オゾンガス処理後の残菌数を測定し,未処理をコントロールとしてその減少率により消毒効果を評価した.オゾンガスCT (オゾンガス濃度と処理時間との積)値1,000 ppm・minで処理することにより,90%以上の消毒効果が推定された.実適用に近い状況を想定したメンブレンフィルターを菌の担体とした消毒試験においても,同様なオゾン処理条件で90%以上の消毒力が得られた. 病院リネン材に対するオゾンガスの内部への浸透性を確認するため,処理対象物の周囲濃度及び処理対象物の内部各所におけるオゾンガス濃度計測を行った結果,布団の場合で4つ折りとし,2セットを積み重ねた場合においても,約70%の浸透性が得られた.また各種処理対象物へのオゾン処理による影響確認試験を実施した結果,実用上での問題が無いことを確認した. これらの結果から,病院リネン材の消毒方法として,オゾンガスを適用できる可能性があることが見出された.
- 日本環境感染学会の論文
- 2008-09-25