院内メールを活用した抗菌薬適正使用に向けてのICT活動の有用性
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概要
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抗菌薬の適正使用とは,宿主の病態に応じ,適切な抗菌薬を選択し,適切な用量を,適切な用法で,適切な期間にわたり抗菌薬投与を行うことである.抗菌薬適正使用の方法としては,抗菌薬使用届出制や使用許可制を取り入れている病院もあるが,JA愛知厚生連渥美病院(以下,当院)では,2004年4月から医師に処方の制限をすることなく,院内メールを活用し,抗菌薬適正使用に取り組んできた.Infection control team (ICT)は,各病棟のリンクナースより症例のプレゼンテーションを受け,病棟ラウンド終了後,当院が定めた抗菌薬について,使用に関するコメント表を作成し,医師全員にメールしている.抗菌薬の選択不適切,投与期間が長い,抗菌薬使用前に培養検査がされていない等,適正使用でないと判断したコメントを記載した症例は,院内メールを開始した2004年度は79件あったが,2005年度は30件に減少した.2006年度についてはTDM未実施が7件あったため,32件であった.一方,抗菌薬の使用量では,セフピロム,イミペネム/シラスタチン,パニペネム/ベタミプロンの使用本数は大きく減少した.院内メールを活用した抗菌薬適正使用取り組みは,全医師にメールすることでホーソン効果(Hawthorne effect)が働き,有効な方法であることが示唆された.
- 日本環境感染学会の論文
- 2008-07-25
著者
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