Lab on a chip 技術の創薬研究への応用
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概要
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Lab on a chipあるいはμ-total analysis systemは,半導体微細加工技術や精密合成技術,微小流体制御技術を応用したマイクロ,ナノバイオデバイスである.これまで実験室規模で行われていた生化学分野における,酵素や基質の混合,反応,分離,検出の操作を比較的小さなチップ上に集積化,微細流路でそれぞれを統合,一連の操作を自動化する技術である.医薬品開発の初期段階におけるハイスループット化合物スクリーニング(HTS)や化合物の阻害機序解明にこのLab on a chip技術を応用するプラットフォームが登場している.特に,キナーゼ,ホスファターゼ,プロテアーゼ,脱アセチル化酵素といったタンパク質修飾酵素や,SHIP2,PI3Kといったリン脂質代謝酵素を標的とするリード化合物探索にLab on a chip技術は威力を発揮している.Lab on a chip技術は,従来型のホモジニアスプラットフォームとは異なる精度と感度の高い化合物評価が可能になり,これまで見逃していた弱い活性の化合物の再発見(新規リード化合物の創出)にもつながる可能性を秘めている.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2008-01-01