アルツハイマー病治療薬の臨床
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概要
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アルツハイマー病の症状は,中核症状である認知機能障害と,周辺症状である行動および心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:BPSD)に大別される.中核症状に対しては,アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬とNMDA受容体拮抗薬の有効性が確立しており,わが国で現在使用できるのは前者に属するドネペジルのみである.AChE阻害薬については,認知機能の改善あるいは安定化作用のほか,日常生活動作の維持,向精神薬使用頻度の低下,介護者負担の軽減,施設入所時期の遅延,費用対効果の低減,などの効果が報告されている.興奮,焦燥,幻覚,妄想などのBPSDに対する薬物療法としては,非定型抗精神病薬の有効性が確立しつつあったが,2005年米国食品医薬品管理局より死亡率の増加を指摘されたことから,その適応について議論が続いている.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2007-12-01
著者
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新井 哲明
東京都精神医学総合研究所・老年期精神疾患研究チーム
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新井 哲明
(財)東京都医学研究機構 東京都精神医学総合研究所 老年期精神疾患研究チーム
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新井 哲明
東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所 老年期精神疾患研究部門
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