自動車シュレッダーダストの廃棄物固形燃料化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
自動車シュレッダーダスト (ASR) は,再利用できる部品・材料を廃自動車から回収した残りを破砕したもので,埋立もしくは焼却処分されている。ASRの成分は,金属やガラス,ゴム,回収しきれなかったPVC被覆電線・ABSなどのプラスチックである。このASRを焼却すると,発生する塩化水素により焼却設備が腐食する問題が生じる。そこで,軟質PVCの脱塩素処理方法を適用し,NaOH水溶液濃度2〜16mol/L,マイクロ波加熱により,反応温度100〜190℃,反応時間0〜1時間処理し,脱ハロゲン挙動を調べた。約22%のClを含有したASRに適用すると,2mol/L NaOH水溶液において,反応温度190℃,反応時間30分で塩素を98%除去でき,硫黄,臭素についてもそれぞれ99.3,100%除去できていることがわかった。脱ハロゲンした残渣を,低品位における燃焼熱量について調べたところ,約8,000Kcal/kgと,石炭と同等であることがわかった。残渣の回収率は約52%で,灰分は10%であった。廃棄物固形化燃料として利用できる可能性が示唆された。
- 2008-09-30
著者
-
長田 文夫
日機装(株)東村山製作所インダストリアルソリューションズ工場技術部開発グループ
-
長田 文夫
日機装(株)東村山製作所r&dセンター
-
永井 和代
日機装(株)東村山製作所インダストリアルソリューションズ工場技術部開発グループ