高血圧合併維持透析患者における透析液ナトリウム濃度低下に伴う降圧効果とその機序に関する検討
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概要
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目的:相対的低ナトリウム透析液を用いた血液透析(LSHD)は,高血圧を合併した維持透析患者に対する治療法として確立されている.しかしながら基準体重変動に依存しない,循環血液量非依存性降圧機序に関しては十分な検討がなされていない.方法:25症例の安定した高血圧合併維持透析患者において,通常の維持透析に引き続きLSHDを施行し,各々12週の観察期間後に非観血的24時間自由行動下血圧測定と心臓超音波検査を行い心負荷指標の比較を行った.結果:LSHD期には同じ基準体重設定であるにもかかわらず収縮期血圧(178±17mmHgから157±19mmHg,p<0.01)および拡張期血圧(91±10mmHgから84±11mmHg,p<0.01)に有意な低下が認められ,左室容積指標にはLSHDの影響が認められなかった.後負荷指標である動脈実効エラスタンスはLSHD期に有意な低下を示した(2.07±0.75mmHg/mLから1.65±0.49mmHg/mL,p<0.01).結論:LSHDは高血圧合併維持透析患者において有効な降圧効果を示し,その機序として循環血液量非依存性の交感神経活性抑制に伴う血管抵抗低減が関与した可能性が示唆された.
- 2008-02-28
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