ガラクトオリゴ糖がマウスの免疫系に与える影響
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概要
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難消化性オリゴ糖の一種であるガラクトオリゴ糖がマウスの免疫系に与える影響を検討した。ガラクトオリゴ糖を含む飼料を自由摂取させてBALB/cマウスを飼育したところ,糞に含まれる総IgAの量は摂取2週間後に有意に増加し,その後コントロール群と同程度に低下した。摂取4週間後に解剖し,調製したパイエル板細胞培養液および大腸組織抽出液の総IgAは,ガラクトオリゴ糖群で増加する傾向にあった。卵白アルブミン(OVA)を腹腔内投与することでアレルギー状態を誘導したマウスの血清総IgE,OVA特異的IgG1,脾臓細胞培養液総IgE,OVA特異的IgG1,IL-4は,いずれもコントロール飼料を与えた群と比較してガラクトオリゴ糖添加飼料を与えた群で有意に低くなった。アレルギー性鼻炎モデルマウスを用いた実験でも,ガラクトオリゴ糖添加飼料群では,一定時間におけるくしゃみ回数に有意な抑制がみられ,鼻掻き行動回数にも抑制傾向がみられた。これらの結果より,ガラクトオリゴ糖はマウスの腸管免疫系を賦活し,アレルギーを抑制する効果をもつことが示唆された。免疫細胞培養時にガラクトオリゴ糖を添加しても細胞の増殖や抗体の産生に影響がみられない一方,ガラクトオリゴ糖を摂取させたマウスの盲腸組織,盲腸内容物が有意に増加し,盲腸内容物のpH低下もみられたことから,ガラクトオリゴ糖の免疫系への効果は,腸内フローラの改善を介して現れるものと考えられた。
- 2008-04-10