連続触媒再生方式による接触改質プロセス用酸化亜鉛系塩素吸収剤の開発
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概要
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連続触媒再生方式の接触改質装置から副生するガスは塩化水素を含んでおり,下流装置での腐食等のトラブルを防止するために,固定床塩素吸収剤による塩素除去が行われる。我々は,各種塩素吸収剤の塩素除去特性を検討するとともに,効果的かつ実用的な酸化亜鉛系塩素吸収剤の開発を進めてきた。 これまで連続触媒再生方式の接触改質装置から副生するガスには,塩素化合物として塩化水素のみが含まれると考えられていたが,我々は複数の有機塩素化合物を含むことを見出した。また,旧来汎用されていたアルミナ系塩素吸収剤では,有機塩素を除去できないだけでなく,無機塩素から有機塩素化合物を生成し,下流にリークさせ,加熱装置において熱分解によって生成する無機塩素による腐食を生じるという欠点をもつことも見出した。 一方,酸化亜鉛系塩素吸収剤が無機塩素を反応吸収するだけでなく,有機塩素化合物を無機塩素に分解して吸収除去できることを見出した。しかし,生成する塩化亜鉛が潮解し,吸収剤ペレットが崩壊して,吸収塔の差圧上昇を招くという問題を有することも判明した。この酸化亜鉛系塩素吸収剤の欠点を解決するために,酸化亜鉛含有量を適正量に低減する一方,ペレット内部の酸化亜鉛反応率の向上,ならびに塩化亜鉛保持能力を高めるために多孔質無機材料を混合して吸収剤の細孔容積を増大させる設計によって化学的 ・ 物理的特性を改善して,新規塩素吸収剤JCL-1を開発した。JCL-1を用いた実証試験では,差圧上昇やペレット崩壊を招くことなく,無機塩素および有機塩素の両方を効果的に除去する安定運転が達成された。
- 2007-05-01
著者
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