排便機能からみた直腸脱の診断と治療
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概要
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排便機能を考えて直腸脱を治療するためには, 直腸脱とともに随伴する排便障害との因果関係も考慮して病態診断を行い, その病態を補正する手術を選択する. 直腸脱の発症機転は, 直腸が滑脱して肛門外に脱出するヘルニア説と口側直腸の重積に由来する重積説に大別されるが, それ以外にも多様な解剖学的構造異常がかかわっている. 直腸脱の病態を把握して診断するためには, 術前にデフィコーグラフィーによる動的診断や直腸肛門内圧測定, 感覚検査などの機能診断, MRIや超音波検査による構造異常の診断に加えて筋電図や神経伝道速度の測定などの質的診断が必要になることもある. 治療は適切な手術を選択するとともに, 年齢や生活環境などの患者背景を考えて, 術後の排便指導や緩下薬の投与などの保存的治療を含めた総括的な治療戦略を構築することが望ましい.
- 日本大腸肛門病学会の論文
- 2007-10-15
著者
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菊池 潔
順和会山王病院 外科
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菊池 潔
国際医療福祉大学・山王病院外科
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高尾 良彦
国際医療福祉大学・山王病院外科
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辻塚 一幸
国際医療福祉大学・山王病院外科
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奥田 誠
国際医療福祉大学・山王病院外科