天然物からの創薬 : 新しい創薬のタネを求めて
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概要
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温暖多湿な日本では,カビ,酵母,細菌などの多様な微生物の利用を可能にしてきた.また,古くより醸造,アミノ酸醗酵を基にした天然物醗酵研究技術の蓄積があった.これらの背景より,日本で醗酵天然物からタクロリムスやミカファンギン等の世界で使用される薬を創製することが出来た.醗酵創薬には,優秀なmedicinal chemistでさえ考えられない様な多彩な構造と強いユニークな活性を伴った化合物が得られるという魅力がある.醗酵天然物資源を拡張するとともに,醗酵天然物のスクリーニングにマッチし,対象疾患の本質を反映する適切な“High Contents Screening”を設定し,醗酵天然物の本来あるべき能力を適切に見いだす事により,画期的な創薬のタネを発見することができる.微生物産物の多様な構造と活性を最大限に引き出す最新の創薬技術と融合させることにより,醗酵創薬を医薬品創薬のひとつの柱として確立しようと現在,奮闘している.
- 2007-03-01