CEA, CA19-9高値を呈し, 多発性肝転移を認めた食道表在癌の1例
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概要
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症例は57歳,男性.拡張型心筋症にて外来管理中に腹部膨満感が出現し,腹部超音波検査によりびまん性肝腫瘍を認めた.血液検査でCEAとCA19-9の異常高値を認めた.上部消化管内視鏡検査にて中下部食道にヨード不染帯を認め,肉眼型は表在平坦型を呈し病理組織学的に低分化扁平上皮癌と診断され,また,肝腫瘍生検にて転移性食道扁平上皮癌と診断された.全身状態悪化により第41病日永眠された.病理解剖では,癌は粘膜下層まで浸潤し,食道および肝の免疫染色でCEA, CA19-9の発現が認められた.多発性転移をきたした食道表在癌はまれと考え報告した.本例ではCEA, CA19-9 高値であり,生物学的悪性度との関連が示唆された.
- 財団法人 日本消化器病学会の論文
- 2007-01-05
著者
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大池 信之
昭和大学横浜市北部病院病理
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高橋 学
財団法人東京都保健医療公社荏原病院病理検査科
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栗原 利和
財団法人東京都保健医療公社荏原病院内科
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石井 成明
財団法人東京都保健医療公社荏原病院内科
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小澤 達雄
財団法人東京都保健医療公社荏原病院内科
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津保 勝郎
財団法人東京都保健医療公社荏原病院内科
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福島 淑隆
財団法人東京都保健医療公社荏原病院内科
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舩冨 等
財団法人東京都保健医療公社荏原病院内科
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加賀谷 寿孝
財団法人東京都保健医療公社荏原病院内科
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大池 信之
財団法人東京都保健医療公社荏原病院病理検査科
-
高橋 学
財団法人東京都保健医療公社荏原病院
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