実験動物施設の外部査察
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概要
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我が国では学問の自由,研究の自由が強調され,研究目的であれば,多少の違法行為ですら見逃されると勘違いする者も多い.とくにバイオメディカルサイエンスはこれまで国立大学主導で行われてきたこともあり,安全管理などの社会活動では極めて重要な課題も人事院規則の中で行われ,外部査察どころか罰則も適用されないことなどから放置されてきた.とくに動物実験では,動物実験反対運動家の主張にも一理あるようで,我が国ではいつでも,どこでも,誰でもが実験動物を飼育し,動物実験を行い得る体制が長い間続いた.しかし科学活動は極めて国際的な活動で,その方法論,公表のされ方には国境が存在しない.とくに科学的結果を国際的に比較するためには,試薬はもとより,使用する試験管,ピペットの品質までもが気になり,我が国独自のやり方などはずいぶん昔に姿を消した.しかし動物実験だけは,我が国の文化的背景などを考慮したせいか,欧米先進国と著しく違う方法でなされている.欧米で官の行政による監察を補完しているのが,国際実験動物施設認定協会(AAALAC International)である.1960年代に米国で誕生した第3者機関であるAAALACは設立後多くの米国医学系学会の支持を得て,発展し,ECが統合された際には国際的組織としてその活動の場を広げた.すでにアジアでも数カ国で10以上の研究所が認定され,世界的には700位の有力研究所が認定を受けている.しかし,我が国では安全性試験を請け負う民間会社が1社だけ本年認定を受けただけで,有力研究機関,大学で認定された所はまだない(注1).
- 2007-01-01
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