術前放射線化学療法にて腫瘍の完全消失を認めた下部直腸扁平上皮癌の1例
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概要
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57歳の女性で, 主訴は発熱および全身倦怠感. 注腸造影および大腸内視鏡検査で下部直腸に1/3周性の2型病変を認め, 生検で扁平上皮癌と診断した. 腹部造影CT上で, 腫瘍の子宮後壁への浸潤を認めた. surgical marginを確保して根治術を行うため術前放射線化学療法 (体外・全骨盤照射50Gy, 5-FU+CDDP) を施行し, 特に大きな有害事象なく経過した. 注腸造影および大腸内視鏡検査で腫瘍は消失したが, 腹部CTで病変の残存が疑われたため根治手術を施行した. 手術は低位前方切除術, 子宮・腟後壁合併切除術を施行した. 病理組織学的検査では, 直腸壁は繊維化のみであり, 郭清リンパ節も含め癌細胞は認めなかった. 術後, 軽度の排尿障害および肛門機能障害を認めたが軽快し, 術後12カ月現在無再発生存中である. 自験例のような下部進行直腸癌に対して術前放射線化学療法は有効であると考えられた.
- 日本大腸肛門病学会の論文
- 2007-02-10
著者
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