アトピー性皮膚炎治療薬の臨床 : 現状と今後の治療薬に期待すること
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アトピー性皮膚炎の治療の柱となるのは原因・悪化因子の除去，スキンケアおよび薬物療法で，主に用いられている治療薬は，炎症に対するステロイド外用薬とタクロリムス軟膏，皮膚バリア機能障害に対する外用保湿剤，そう痒に対する抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬である．ステロイド外用薬は治療の主役であるが，副作用の危険性もあるために適切な使用法が求められる．強さがランク付けされ，部位や症状に応じて使い分けられている．タクロリムス軟膏は顔面の皮疹に対するステロイド外用薬の代替薬としてその地位を確立しつつある．抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬は痒みの原因の一部を抑えるのみなので，補助療法として位置づけられる．新しい治療薬としては核酸医薬が注目されるが，その他にもさまざまな抗炎症薬の効果が試されて報告されている．痒みに対してはオピオイドκ受容体アゴニストや抗NGF療法が注目される．
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2006-12-01
著者
関連論文
- 持続性抗ヒスタミン薬の内服24時間後の効果比較検討
- ヒスタミンH1受容体拮抗薬の内服24時間後の効果比較検討
- ダーモスコピーで皮丘平行パターンを示した足底単純黒子の1例
- アトピー性皮膚炎皮疹部におけるヒスタミン誘発性そう痒とそれに対する抗ヒスタミン薬の効果の検討
- 脳波・筋電図の臨床 皮膚からみた痒みのメカニズム
- 皮膚血流画像化装置を用いた抗ヒスタミン薬の薬効評価
- かゆみのメカニズムを探る(2)神経生理学からみたかゆみのメカニズム
- かゆみのメカニズムの新しい考え方 (特集 最近のトピックス 2005 Clinical Dermatology 2005) -- (皮膚疾患の病態)
- アトピー性皮膚炎に伴う痛み (特集 小児の痛み) -- (疾患・病態における鎮痛コントロール)
- アトピー性皮膚炎の痒みの実態
- 痒みの神経生理学的側面 (皮膚科セミナリウム(第41回)痒み)
- 痒みの機序と制御
- ES11-2 アトピー性皮膚炎のかゆみ治療(第19回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- EVS9-2 かゆみのメカニズム : ヒト研究からの知見(かゆみのメカニズムと対策, 第19回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 痒みの臨床的評価法 (特集 アレルギー性掻痒の基礎と臨床)
- アトピー性皮膚炎治療薬の臨床 : 現状と今後の治療薬に期待すること
- 3 痒みの臨床的評価法を探る(イブニングシンポジウム4 痒みへの包括的アプローチ,第18回日本アレルギー学会春季臨床大会)
- 皮膚科における抗ヒスタミン薬の評価 (特集 アレルギー炎症反応におけるヒスタミンの役割と抗ヒスタミン薬)
- かゆみと痛み
- アレルギー性皮膚疾患のかゆみの成因と治療
- かゆみを理解する
- 痒みの神経生理学的側面
- アトピー性皮膚炎におけるかゆみと痛みの関係
- かゆみ研究 最近の進歩(イブニングシンポジウム3 アレルギー性疾患のかゆみ : その成因と治療)