廃アスベストおよびアスベスト含有廃棄物の溶融処理を目的とした模擬溶融実験 : 溶融条件の検討
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概要
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廃アスベストの処理はこれまで埋立処分を中心に行われてきたが, 最終処分場等の寿命は全国的に残り2.5〜4.5年と短く, 現在埋め立てに代わる新しい処分方法が求められている。筆者らはこのたび, 産業廃棄物の処理に伴って発生する主灰と飛灰を使用して1,500℃以下の低温で廃アスベストおよびアスベスト含有廃棄物の溶融処理を検討するラボ実験を行ったので報告する。今回の実験の結果クリソタイルを1,300℃, 30分の温度条件 (雰囲気温度) で溶融処理する場合, クリソタイルと飛灰, 主灰の混合比が大きく影響していることがわかった。実験に使用した灰については, 主灰にFe2O3が多く, また飛灰にはCaOが多い。SiO2は主に主灰の方に存在するが, その量は廃棄物の種類と投入量に左右されている。クリソタイルはSiを多く含んでおり, 全体でのSiO2, Fe2O3, CaOの比率が適したときにクリソタイルの溶融が可能になったのではないかと考えられた。この主灰と飛灰を使用することで, 純クリソタイルの比率40%まで溶融することができた。
- 2007-03-31
著者
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野田 明宏
(株)カムテックス 環境技術センター
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片岡 義雄
(株)カムテックス 環境技術センター
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武井 宏幸
(株)カムテックス 環境技術センター
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水上 正善
(株)カムテックス 環境技術センター
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坂後 充宏
(株)カムテックス 福山本社