歯科用金属アレルギーと思われた扁平苔癬症例
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概要
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症例の概要: 患者は64歳 (初診時) の女性である. 病理組織診断にて頬粘膜, 歯肉部の扁平苔癬と診断された. 投薬などにより症状に軽快が認められないこと, パッチテストにより歯科用金属に対する感作が確認できたこと, 口腔内金属修復物成分分析結果から, 歯科用金属アレルギーを疑い, 被疑金属の排除と経過観察, 被感作材による治療と生活指導をおこなった.<BR>考察: 治療開始後, 頬粘膜, 歯肉ともに改善傾向を示し, 13ヶ月経過後には症状がほぼ消失し, その後悪化をみていない.<BR>結論: 歯科臨床で頻繁に使用されている金銀パラジウム合金の成分のひとつであるPdが口腔内扁平苔癬の発症, 増悪因子となりえる可能性を示した症例と考えられた.
- 2006-07-10