市民からみた容器包装リサイクル法の改正の経緯と評価
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概要
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容器包装は消費者に身近な存在であり, 「容器包装リサイクル法 (1995年制定) 」の改正問題は廃棄物問題に関心のある人々にとって最大の関心事であった。同法が制定されて10年, リサイクルが進んだ結果, 埋立処分量が減少したという評価がある一方, 容器包装廃棄物自体の減少には寄与しなかったことが指摘されている。<BR>今回の法改正にあたって, 市民は拡大生産者責任 (EPR) を徹底し, リサイクル費用をすべて製品価格に内部化すること, 3Rを推進する手法によって発生抑制を進ませることを求めていた。しかし, 審議会では自治体と事業者の役割分担の見直しをめぐって意見が対立した。結局, 事業者の責任を強めるのではなく, 収集や再商品化の合理化によって余った金を事業者と自治体が分け合う「資金を拠出する仕組みの創設」にすりかわり, 発生抑制に関しても事業者の自主的な取組の範囲内に止まった。<BR>本稿では費用負担と発生抑制の問題を中心に改正の経緯を追いながら検証する。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
- 2006-07-31