一般廃棄物処理事業の将来像について
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概要
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国際的に「持続可能な開発」を目指す中で, わが国の廃棄物の処理は, 従来の「公衆衛生の向上」や「生活環境の保全」など衛生処理的な観点から, 基本法となる「循環型社会形成推進基本法」を制定し, 循環型廃棄物処理の方向を目指し展開されている。さらに, 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正をはじめ, 「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」, 「特定家庭用機器再商品化法」が制定されるなど法制度面での整備が段階的に行われてきた。<BR>しかし, 国内での一般廃棄物の資源化率は, 全体重量の20%程度にとどまっており, 今後は, サーマルリサイクルを踏まえた焼却処理などの適正処理が求められる。<BR>また, これら事業を安定的に進めるための事業資金は, 税収不足に加え, 三位一体改革などによる従来型施設整備補助金の廃止などにより大変厳しい状況となっている。さらに, 行財政改革の下での新規施設整備計画の見直しに加え, 維持管理経費の大幅な削減が求められていることなど, 自区内処理の原則に基づき単独事業として市町村が行ってきた一般廃棄物処理事業に限界が見えつつある。<BR>そこで, 21世紀のあるべき廃棄物処理制度を総合的に検討するため, 自治体財政の現状, 広域化の方向性, 法制度などレビューを行い, あるべき将来像について言及した。
- 一般社団法人 廃棄物資源循環学会の論文
- 2005-11-30