特集のねらい(<特集>全身麻酔器の現況と展望)
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概要
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全身麻酔の4大要素とは, 鎮痛, 意識の消失, 筋弛緩, 自律神経の安定化をいう. 意識の消失や筋弛緩による呼吸停止は死と抱き合わせであり, 非常な危険状態であることは疑いの余地がない. 全身麻酔はこのような危険状態を伴う麻酔方法であるために, 手術患者を安全に麻酔維持することが重要かつ基本となっている. 現在, 全身麻酔器にはシンプルなものからコンピュータ制御によるかなり複雑な装置を搭載するものまで実に幅広いものになってきている. この麻酔器を正しく理解することは, 患者の安全性の確保につながる重要事項である. 今回, 麻酔器に造詣の深い先生方に執筆をご依頼申し上げた. 内容的には, コンピュータ制御麻酔器と非コンピュータ制御麻酔器の現況と展望の解説から始まって, 麻酔器に組み込まれている重要な装置の解説を分かりやすくお願いしている. 気化器はセボフルランやイソフルランなどの液体麻酔薬を気化させる装置であるが, その内部構造はあまり知られていない. 二酸化炭素吸収装置は, 呼気に含まれている二酸化炭素を再吸収させないように, 二酸化炭素とアルカリ性物質とを反応させて, 吸気に含まれる二酸化炭素をゼロにする装置である. 麻酔ガス排出装置は, 患者から排出される麻酔ガスを患者以外の周囲の医療関係者が吸入しないように, 建物の外に排出する装置である. 患者が麻酔ガスを吸入する回路は麻酔器から患者の気道までの回路であるが, その中には, APL弁, ポップオフ弁, 蛇管, Yピースなどが含まれている. 患者の安全性を維持するための重要装置として, 低酸素の防止装置がある. 流量計は酸素, 亜酸化窒素, 空気などの流量を測り患者に供給する装置である. いずれも重要なデバイスであり, 全身麻酔器には欠かせない. 本特集を通して, 全身麻酔器について正しく理解して頂き, 今後の全身麻酔管理に役立てていただければ幸いである.
- 2005-08-01
著者
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