造血器悪性腫瘍と上部消化管悪性腫瘍を合併した重複癌の臨床的検討

概要

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目的:造血器腫瘍と上部消化管悪性腫瘍を合併した重複癌34例について検討した。対象および方法:重複癌は同時性が25例,異時性が9例であった。結果:造血器腫瘍は非ホジキンリンパ腫(NHL)16例,急性骨髄性白血病5例,慢性骨髄性白血病2例,骨髄異形成症候群4例,原発性マクログロブリン血症3例,孤立性形質細胞腫2例,多発性骨髄腫1例,慢性リンパ性白血病1例であった。上部消化管悪性疾患は胃癌30例,食道癌3例,十二指腸乳頭部癌1例であった。家族歴で癌を発症した家族を有した症例は16例(47%)と高率であった。同時性症例と異時性症例の予後は差を認めなかった。NHL合併重複癌症例はNHL単独症例に比較して有意に予後不良であった。NHL合併例16例中14例において上部消化管癌の治療は成功した。結語:重複癌は遺伝的な背景があると考えられるが,消化器癌と血液悪性腫瘍を合併した重複癌症例では,注意深い治療計画と適切な治療施行により予後は改善され,一部の症例では治癒可能と考えられる。
東邦大学の論文
2005-03-01