大動脈弁置換術後の上行大動脈壁に発生した真菌性心内膜炎の1例
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概要
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症例は69歳, 女性.2001年4月人工弁(Freestyle弁)感染性心内膜炎, 僧帽弁閉鎖不全症, 陳旧性心筋梗塞に対し再大動脈弁置換術, 僧帽弁形成術, 冠血行再建術を施行した.2002年1月中旬から下痢, タール便を認め当院消化器科へ入院, 絶飲食, 高カロリー輸液を行っていた.1月下旬から発熱が持続, 抗生剤投与を行い改善傾向にあったが, 経食道心臓超音波検査にて上行大動脈に可動性を有する異常エコーを認め, β-Dグルカンの上昇, 血液培養検査にてCandida parapsilosisを認め, 真菌性心内膜炎の疑いにて4月5日手術を行った.大動脈を切開すると無冠洞近傍の大動脈壁に疣贅の付着を認め, 機械弁による再々大動脈弁置換術, および疣贅とともに大動脈壁の一部を切除, 大動脈壁欠損部の再建を行った.摘出標本からC. parapsilosisが検出され, 抗真菌剤を経静脈的に8週間投与した.術後, 意識覚醒遅延, 一過性の左半身麻痺の合併を認めたが, 術後133日目に脳梗塞後遺症なく退院, 抗真菌剤内服を継続し, 術後24カ月の時点で感染の再燃は認めていない.
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2005-05-15
著者
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秦 雅寿
大阪府立母子保健総合医療センター心臓血管外科
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磯部 文隆
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科
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衣笠 誠二
国立大阪病院心臓血管外科
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秦 雅寿
大阪大学心臓血管・呼吸器外科
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斉藤 素子
国立大阪病院 心臓血管外科
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野村 幸哉
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科
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秦 雅寿
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科
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岩田 圭司
国立大阪病院心臓血管外科
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衣笠 誠二
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科
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岩田 圭司
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科
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斉藤 素子
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科
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