魚骨の胃壁穿通による肝膿瘍の1例
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概要
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今回われわれは魚骨の胃穿通による肝膿瘍の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は38歳,男性.心窩部痛,発熱を主訴に,他院を受診し,腹部超音波検査にて肝膿瘍を指摘され,当院を紹介受診.同日の腹部CT検査で肝S2〜3に3 cm大の膿瘍および膿瘍下縁から胃前庭部に接して線状の陰影を認め,上部消化管内視鏡検査では胃角小弯にピンホール様の潰瘍を認めたため,魚骨の胃穿通による肝膿瘍と診断した.抗菌薬点滴投与では効果不十分であったため,左肝動脈へ抗菌薬持続動注を3日間施行後,腹腔鏡下に魚骨を摘出し,良好な経過を得た.魚骨による肝臓への消化管穿通例はまれであり,一般に診断は困難とされているが,本症例では,腹部CT検査,上部消化管内視鏡検査により術前診断が可能であった.
- 財団法人 日本消化器病学会の論文
- 2005-04-05
著者
-
岡本 英一
広島大学 光医診
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小田 しのぶ
中国電力(株)中電病院内科
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國弘 真己
中国電力(株)中電病院内科
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岡本 英一
中国電力(株)中電病院内科
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堂上 慎也
中国電力(株)中電病院内科
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田村 徹
中国電力(株)中電病院内科
-
國田 俊郎
中国電力(株)中電病院内科
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