幕末期南関東村落における村外婚姻行動と村内構造 : 宗門改帳からの分析
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概要
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本研究では、幕末期における南関東の一村落である上名栗村古組を対象とし、その村落構造がどのような形態をとり、またどのように保持されていたかを、村落内世帯の婚姻行動と連関して論ずる。その分析には、宗門改帳に記述されている婚姻関係および世帯の持高、そして村落の地理的位置を用いる。村落内の社会的階層は、世帯の持高によって上層・中層・下層に分類され、それぞれにおいて婚姻相手の選択志向が異なることを示す。そこでは上・下層において遠方への嗜好が見られるのに対して、中層においては近郊への志向の集中が見られることが示される。このような結びつきの分化が、村落内の階層構造を保持させる動力たり得ることを提唱する。
- 2005-05-11
著者
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- 速水融著, 『歴史人口学研究-新しい近世日本像-』, 藤原書店, 2009年10月, 606頁, 8,800円+税