極少量IFN投与が有効であった難治性C型肝硬変患者の1例
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概要
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症例は53歳男性, 肝硬変患者である. 1995年にC型慢性肝炎に対してインターフェロン (IFN) 投与とグリチルリチン製剤 (SNMC) 静脈注射の治療歴がある. 当院にてSNMCを60ml に増量するもALTは100〜150IU/l が続いた. そのため少量IFN-α投与を試みた. ALTはIFN投与量を100万から30万, 10万単位と漸減しても開始前値より低い値を持続したが, 5万単位では上昇し, 10万単位に戻すと再び低下した. 以後IFN10万単位を継続投与し, ALTは60〜100IU/l 程度であった. 10万単位IFN投与期間中の血清2-5AS活性値は, IFN非投与期間中の約2.4倍に上昇した. 血中のウイルス量に変化は認めなかった. 副作用は出現しなかった. 難治性の肝硬変患者に対して10万単位の極少量IFN投与が, トランスアミナーゼの低下に有効であった症例を経験したので今回報告する.
- 2005-05-25