ヒト株化細胞HL-60の分化と細胞膜表面のレセプターの変化
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概要
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ヒト株化細胞HL-60の分化と細胞表面のレセプターの変化について検討した.走化能関連抗原を認識し顆粒球とのみ反応するモノクローナル抗体TM 316, および抗Fcレセプター抗体を用い, HL-60が分化する際,TM 316対応抗原とFcレセプターの発現について調べた. HL-60の分化は, DMSOを用い,膜表面上の抗原量の変化はセルソーターを用いた.分化5日目のHL-60は細胞がやや縮小し,核の分葉化がみられ,多数の顆粒も出現し,形態学的には顆粒球となった.しかし,走化能関連抗原は,分化後のHL-60においてもヒト正常好中球に比べ少なく,さらに走化能は出現したものの,その程度は正常好中球に比べかなり低下していた. Fcレセプターの検討では, FcγR I(CD 64)とFcγR II(CD 32)は分化HL-60で少量の発現が認められたが, FcγR III B(CD 16 b)は好中球のみに存在し,分化HL-60では認められなかった. HL-60は刺激物質により分化し形態学的には好中球となるが,その機能と表面レセプターは好中球と同一ではないことが判明した.
- 1996-10-31
著者
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