小児脳波における陽性極性を示す中心・側頭領棘("ローランド発射")
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概要
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小児脳波において中心・側頭領棘(“ローランド発射”)は通常、陰性の極性を持つが、中には陽性の極性(陽性棘)を示す例が観察される。調査対象は中心・側頭領棘を示した144例(年齢は2〜12歳)である。棘の観察には基準電極のほかに、前後・横方向の連結双極導出で行った。棘が両側に同時あるいは独立に現れる例が63例(44%)に見られ、さらに一側で陰性棘、他側で陽性棘を示す例が5例(3.5%)に観察された。このように棘が頭部の両測に出現することを考えると、その発生源は脳深部に存在するのではないかと考えた。そのような部位として海馬が想定される。すなわち海馬を前額断で見ると、錐体細胞が“C”の字の形に配列しているので、そこで生じた電位双極子は種々の角度をとることになる。陽性棘は双極子が脳表面に水平あるいは斜めになっている場合、それが体積伝導で頭皮上に波及したものではないかと考えた。
- 日本てんかん学会の論文
- 2002-06-28
著者
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古川 博
仙台大学 大学院
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一條 貞雄
仙台大学大学院スポーツ科学研究科
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石井 一
Jr仙台病院神経科
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古川 博
(財)桜ヶ丘病院(福島)
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玉置 恵子
仙台赤十字病院小児科
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一條 貞雄
仙台大学大学院健康福祉科学領域
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古川 博
(財)桜ヶ丘病院
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