日本列島の北部と中国の東北地方に生息するCypripedium属の遺伝子分析による比較研究
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概要
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日本海を囲む日本列島の北部と中国の東北地方に生育しているCypripedium属植物について, 遺伝子分析によって比較研究を行った.ホテイアツモリソウとレブンアツモリソウは日本列島で採取したもので, 中国の東北地方で採取したC. macranthosの変種または品種と考えられている.葉緑体にあるribulose-1, 5-diphosphate decarboxylase/oxygenaseの大サブユニット(rbcL)のDNAを比較すると, 3種はまったく区別できなかった.ところが, 核DNA上にあるリボソームRNAのITS部分を比較すると, ホテイアツモリソウとレブンアツモリソウ・中国産C. macranthosとの間で, 1塩基の置換が認められた.また以上3種のゲノムを鋳型にランダムプライマーOPA16を用いたRAPD電気泳動を行った結果, レブンアツモリソウにのみ430bpのDNAフラグメントが認められた.中国の東北地方で採取したC. calceolusのrbcLとITSの塩基配列はいずれも同じ地域で採集したC. macranthosと異なっていた.C.×ventricosumはrbcLとITSの遺伝子分析から, C. macranthosとC. calceolusの雑種であると確認された.これらのことよりrbcLとITS遺伝子の分析は, Cypripedium属の種や変種の分類に有用であることが示された.
- 園芸学会の論文
- 2005-05-15
著者
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古田 和義
北海三共(株)農科研
-
八木 康一
北海三共(株)研究部
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城 真一郎
北海三共(株)農業科学研究所
-
落合 正則
北海道大学低温科学研究所
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落合 正則
北大低温研
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城 真一郎
北海三共(株)研究部
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古田 和義
北海三共(株)農業科学研究所
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